結論
複素数の平方根やn乗根は、簡単に定義できません、
理由は、二乗、n乗すると目的の数に一致する複素数が二個、n個あるため、
その内のどれにすればいいのか、あらかじめルールを作ることが難しいからです。
二個の平方根、n個のn乗根をすべて求める方法は、後で説明します。
あらかじめルールを作ることが難しいことも、後で説明します。
補足
平方根、三乗根、さらに進んでn乗根の根号の中は、
普段は正の実数に限るようにしておくことが、
式の計算を安全・正確に進めるコツです。
考察
二個の平方根をすべて求める
複素数 z を極形式で表現して
とする。
r は、ゼロまたは正の実数であり、 θは実数である。
ド・モアブルの定理(De Moivre's theorem)
から、二個(or 関係 = どちらも有効 で)求まります。
n個のn乗根をすべて求める
オイラーの公式
を使うと、複素数 z の極形式はさらに簡潔に表記できる。
この式で、書いてみよう。
複素数zのn乗根は、
右辺は、p が 0 から n - 1 まで、n回変化したバージョンがある、つまり n 通りである。
ここで、
は、1のn乗根である。
なので、p = 1 の場合の
...(9)
をpべき乗していくことで、
つまり指数的には、p倍数化していくことで、
すべての1のn乗根が尽くされる。
1のn乗根列は、複素平面での単位円のn等分点に相当する。
正n角形の頂点である、ただし、1を頂点とする。
この正n角形の頂点を θ/n だけさらに回転したものが、
(p = 0, 1, 2, ... n - 1) ...(10)
である。
複素数zのn乗根は、正の実数 r (複素数zの絶対値 = 複素平面での原点からの距離)の
n乗根と式(10)をかけたもの = 式(6)になる。
あらかじめルールを作ることが難しい
数学の便利なところは、等式の変形が、
一定の方針(展開するとか因数分解するとか)の下であれば、
ほぼ自動的に計算されていくことである。
この自動計算のステップ(式の変形)では、
同値関係を前提にして進められる。
だから逆方向に辿ることも簡単にできる。
が、除算のように分母が0では意味がなさない演算があると、
自動計算を進めることは簡単にはできない。
分母が0の場合と0以外の場合の二つに分岐する。
つまり、逆方向に辿るには、すべての分岐を揃える必要がある。
複素数のn乗根の計算では、分岐がn個に膨らむので、
取り扱いがわすらわしいのである。
n乗根のどれか一つだけについて計算していくと、
どこかで破綻をきたすことになる、
n個を平等に扱って計算をすすめないといけない。
をpべき乗していくことで、
つまり指数的には、p倍数化していくことで、
すべての1のn乗根が尽くされる。
1のn乗根列は、複素平面での単位円のn等分点に相当する。
正n角形の頂点である、ただし、1を頂点とする。
この正n角形の頂点を θ/n だけさらに回転したものが、
である。
複素数zのn乗根は、正の実数 r (複素数zの絶対値 = 複素平面での原点からの距離)の
n乗根と式(10)をかけたもの = 式(6)になる。
あらかじめルールを作ることが難しい
数学の便利なところは、等式の変形が、
一定の方針(展開するとか因数分解するとか)の下であれば、
ほぼ自動的に計算されていくことである。
この自動計算のステップ(式の変形)では、
同値関係を前提にして進められる。
だから逆方向に辿ることも簡単にできる。
が、除算のように分母が0では意味がなさない演算があると、
自動計算を進めることは簡単にはできない。
分母が0の場合と0以外の場合の二つに分岐する。
つまり、逆方向に辿るには、すべての分岐を揃える必要がある。
複素数のn乗根の計算では、分岐がn個に膨らむので、
取り扱いがわすらわしいのである。
n乗根のどれか一つだけについて計算していくと、
どこかで破綻をきたすことになる、
n個を平等に扱って計算をすすめないといけない。
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