の解法(solution)を調べて見た(study)。
以下は、カルダノの解法という。
係数(coefficients) a,b,c,d は、実数(a real number)で考えよう。
係数を複素数(a complex number)にすると、解の公式(Formula of the solution)の根号(a radical sign)(平方根(the square root)、三乗根(the cube root))の中が複素数となる。
根号の中が複素数のとき、根号の示すものはその次数(degree)個だけあり、
複雑さ(complexity)を増す、この点は必要に応じて解説する(expound)。
三次方程式なので係数a は、0ではない。
係数a = 0 なら二次方程式(a quadratic equation)となる。
また、係数 d が0であると、自明な解(trivial solution) x = 0 があり、
実質的に二次方程式に格下げ(downgrade)となる
だから、 d もまた 0 ではない場合だけを考えればよい。
方針(plan): 少しでも簡単な(simple)形の式に変形(transform)したい。
方程式(1)の両辺(both sides)を 0でない係数a で割り(divide)、
としておく。
二次方程式の根の公式を求めた方法を真似(imitate, follow)て、
としたいが、簡単ではなさそう、とりあえず(for the present)。
なので、(4)と(5)を見比べ(compare)て、
と、してみる。(6) を整理して
としてみよう。式(7)を式(5)に代入(substitute B for A)し、
式(4)と式(8)は、三次と二次の係数が等しい(equal to)、差を取ってみる(calculate a difference)
さらに変形する
式(9)と式(13)は等しいから抜き出してみる
三次の(tertiary)項(a term)を移項(transposition)してみる
左辺(the left side of a formula)の二次の(quadratic)項が、xから定数(a constant, an invariable) b/3a を加えることで、右辺では消えている。
つまり、少し簡単な方程式に変形できたことになる。
今後、
として、二次の項が無い三次方程式
を考えれば、よいことになる。
式の変形をうまく行えば、
二次項(quadratic term)の替りに一次項のない三次方程式に変形できるそうであるが、
そこから根の公式を求めることは、難しそうである。
実際そういう解法も知られていない。
では、方程式(17)をどのように解けばいいのか。
方針:三次方程式の根と係数の関係(Viete's formulas)からのヒラメキ(flash;brainstorm)を使う
ここで、三次方程式の根と係数の関係とは
方程式の三根をα、β、γとすると
左辺を展開整理(expand; multiply out)して
から、係数が根の対称式(symmetric expression)で表されるということである。
つまり、根と係数の関係を、式(17)に当てはめれば、
ここで、p と q を含まない(not included)式(20)に着目する(focus on)と
を得る。γは、根なので方程式(17)を満たすので、(23)を(17)へ代入する(substitute)と
符号(sign)を整理
となる。ここで、式(25)の左辺を展開整理してみる。
ここで、仮に
が成り立つと仮定(assumption)すると、
式(29)の左辺は、真ん中の項が0になるので、簡単になり、次の式を得る。
さらに変形し、
式(30)をさらに変形すると
つまり、式(29)を成立させる十分条件(a sufficient condition)は、
と、言える。
ただ、この条件は、強引(forcible)と思もえる。
式(34)を三乗(cube)する。
となる。式(32)と式(35)を並べると
を得る。
ところで、二次方程式
の根
であることを、思い出すと、
二次方程式の解の公式で
αが求まれば、残りの解も求められるだろう。
不思議なことに、巷で知られている実際の三次方程式の解法では、
式(25)の替りに、次の式が突如現れて話が進む、
が、q の符号が違うだけで本質的には式(25)と同じであると気がつくだろう。
さてここで、
と置いて、方程式(17)に代入すると
を得る。
このu,v の方程式の解を一組求めることにする。
式(40)の左辺を展開整理すると、
式(41)を満たす、十分条件は、強引だが
である。
そこで、式(42),(43)を満たすu,v を求めることにしたい。
いきなり、u,v を求めず、
つまり、
の根である。方程式(46)を解く。
根号の中を整理して
ここで、最初に係数 a, b, c, d が実数であるので、
係数 p, q も実数である。
従って根号の中の式
実数であることをメモしておく。
係数 a, b, c, d が複素数の場合は、
ややこしい話になるので、別の機会に説明する。
そして、一般性を失わないためにも、tは、二次方程式の根だから、複素数と考えざるを得ない。
したがって、
ただし、
だから、uとvは
としたいが、根号の中が複素数では注意が必要。
複素数の三乗根はちょっとばかりややこしいので次の横道で説明する。
三乗したらある数になるという数を見つける方法を詳しく説明すると
方程式、
の根を見つけることである。
Aが実数でも、根は3つあり、そのとき一つの根は実数、残り二つの根は複素数である。
理由は、実数根を r とすると
これを変形
従って、二次方程式
の根は、
も三次方程式(54)の根である。
ここで、慣例に従って
と置く、
従って、式(54)の三根は
と書ける。
ド・モアブルの定理(De Moivre's theorem)
からも解るように複素数zを極形式(polar form)に表すと
べき乗を理解しやすい。
つまり、r を正の実数、 θを実数とすると複素数zは、
と表される。べき乗(exponential)は、
となる。
極形式でωを表現すると
である。
複素平面(complex plane)での単位円(unit circle)での120度回転であり、三回繰り返すと一周360度する。
ここまでくれば、式(53)を右辺が複素数 z の場合に解いてみることは、簡単である。
であれば、
.
である。
ここでは、極形式を用いて三乗根号の中を常に実数rとすることで解決した。
つぎに、求めた根の一つ(どれでもいい)を仮に
と表すと ωの性質から他の二根は、
と表せる。表せる理由は、120度回転の循環性から明らか。
どれでもいいとしたが、
大抵の人なら、zの極形式で次のように定義(define)したいだろう。
しかし、数学としては、
複素数の三乗根の定義は曖昧なまま残されているらしく、
とされている。
式(74)を前提にしたら、
式(70)は、
と書き直せる。
これで、三乗根の中が複素数の場合の意味が判った。
元の三次方程式の解法に戻ろう、
連立方程式(simultaneous equations)(44),(45)をもう一度ここに記入すると、
これは二次方程式の根と係数の関係から、解ける。
ここで、式を簡単にするため
と置く、連立方程式(44),(45)の解は、
となり、これは複素数である。
u, v のそれぞれの根は、式(75)を用いて、
となる。
連立方程式(44),(45)は、
連立方程式(42),(43) (ここに再掲)
から導かれたもので、
u, v のそれぞれの根からすべての根の組み合わせ(9通り)を取り出し、
(42),(43)を満たしているか確認するべきである。
式(80),(81)のすすべての根の組み合わせ(9通り)について両辺を三乗すると、
式(78),(79)に戻ることが暗算できる。
式(78),(79)と(76),(77)から、式(42)が満たされることも暗算できる。
ここで、三乗根について再度確認をしておく、
二個の複素数を極形式で表現して
と
かある場合、
であり、
定義式(definitional equation)(74)から、
であるので、式(85),(86),(87)から
となり、常に等号が成り立つ算術(arithmetic)規則はない。
要するに OR でつながっていることを忘れてはいけない。
定義式(74)から言えることは、
である。
式(89)から発想すると、
式(43)を満たす式(80),(81)の組みは、見つかるが、実際に計算をして見つけないといけない。
具体的には、式(80)から一つを取り出し、式(81)の一つと掛けてみる。
もし、式(43)の右辺になれば、成功であるが、
右辺にならないなら、ωを掛けてみる、それで右辺になれば、成功である、
まだ右辺にならないなら、さらにωを掛けてみるとそれで右辺になるはずである。
こうして、式(80)から一つを取り出すと、式(81)のどれかと組み合わせると式(43)を満たす。
最終的に、3組を取り出せる。
三次方程式の解法としては、
式(43)を満たす式(80),(81)の組みを計算で見つけてから、
それを改めて
と限定指定する。残りの根は、
である。
式(17),(40),(41)を再掲する。
式(41)を満たす、十分条件として計算してきたから、まだ、終わりではない。
根の式(90),(91), (92),(93), (94),(95)が、全ての根を満たすこと=必要条件(a necessary condition, an essential condition)を確認する必要がある。
さて、突然すぎるが恒等式(identity)
の右辺を展開して証明(prove)計算してみる。
式(59)と式(60)から
である。
とすると、式(76), (77), (43)から
が求まる。
式(97), (98)を恒等式(96)に代入すると
となる。この式から、方程式の根はこの3個と解る。
恒等式(96)は、式(99)からヒラメイタ(leaped)と考えたほうがよい。
まとめると、三次方程式
ただし、
b,c,d は、実数とする、があるとき。
として、二次の項が無い三次方程式
を解くとよい。
とするとき、
これらの三乗根の組み合わせでその積が
三次方程式(1)の根は、
ただし
とする。